[Intro] 地下の庭に 風はない それでも花が 赤く揺れる 枝は銅線 根は記録 花びらひとつに 誰かの声 [Verse 1] 少女が言った 触れないで これは母の 最後の朝 湯呑みの温度 髪の匂い 削除される前に ここへ移した 花は静かに 明滅して 雨の記憶を 壁に映す 祭りの太鼓も 古い夕飯も 全部小さな 光になった [Pre-Chorus] 美しいほど 残酷で 残るほどに 痛みが鳴る 俺の刀が 低く震えた 忘れるなと 花が言う [Chorus] 回路桜 赤く咲け 消された声を 夜へ返せ 回路桜 散らないで この街の胸に 春を刺せ 回路桜 泣かないで 涙はもう データじゃない 回路桜 光れ 人は記録より 深く生きた [Verse 2] 老いた男が 花を数える 息子の名だけ 毎晩探す 企業の寺は 慰霊を売った だがここでは誰も 値札を付けない 俺の記憶も 枝に触れた 父の手の傷 夏の畳 捨てたはずの名が 舌に戻り 雨より先に 目が熱くなる [Pre-Chorus] 弱さじゃない この痛みは 刃を曇らす 錆じゃない 俺の掌 花を守る 忘れるなと 血が言う [Chorus] 回路桜 赤く咲け 消された声を 夜へ返せ 回路桜 散らないで この街の胸に 春を刺せ 回路桜 泣かないで 涙はもう データじゃない 回路桜 光れ 人は記録より 深く生きた [Quiet Bridge] もし明日ここが 焼かれても 花びら一枚 胸に隠す 誰かの朝を 誰かの声を 刀の中へ そっと入れる [Guitar Solo] 赤い枝から 火花が舞う 静かな庭が 嵐になる 美しいものを 守るため 重い音が 地下で鳴る [Final Chorus] 回路桜 赤く咲け 消された声を 夜へ返せ 回路桜 散らないで この街の胸に 春を刺せ 回路桜 燃えても咲け 灰の中から 名を呼び戻せ 回路桜 光れ 人は記録より 深く生きる [Outro] 花びらひとつ 刃に乗せた 冷たいクロムが 赤く濡れた 地下の庭には 風がない それでも春は ここで鳴った